こんにちは、製造技術部の斎尾です。
ワイヤ放電加工機とは、呼んで字のごとく、ワイヤに電流を流し、ワイヤと加工物との間で、
放電現象を起させて、加工する機械です。
簡易原理図
弊社ではワイヤ放電加工機を用いて金型製作に必要なパンチプレート、ダイプレートなどの部品を
鉄のプレートから切断しています。
社内に3台有しており、日夜問わず稼働しています。
今回はワイヤ放電加工機のオペレーターの1人植田さんにインタビューをさせて頂きました。
それでは植田さん、宜しくお願いします!
斎尾:まずは自己紹介をお願いします!
植田さん:植田憲司、ワイヤのオペレーター歴19年、好きなアニメはガンダムです!
斎尾:加工のプログラムを組む上で普段気をつけていることは何ですか?
植田さん:炊飯器などの金型を作製する時期は主に1年の中でも約3ヶ月と短い期間に集中していて、
その時期は加工機が日夜フル稼働する状況になります。
その中でいかに効率良く加工手順を組立てられるかが勝負になってきます。
加工時間の短いものは日中に行い次々数量をさばき、加工時間が長いものは1晩かけて
稼働させて完成するよう仕掛けの順番を振り分けています。
また、夜間長時間加工機を稼働させる為に複数のワークを一度にセットして
1回のプログラムで同時加工できるよう工夫したりもしています。
斎尾:なるほど、依頼された仕事をその順番にこなしていくわけではないんですね!
植田さん:その通り!ワイヤ放電加工後に必要な処理の種類もワークによって異なります。
そこでの優先順位も計算に入れて、金型製造という部署全体の日程管理も必要になるんだ。
斎尾:うーん、奥が深いですね!忙しい中質問に答えて頂きありがとうございました!!
ワイヤ放電加工機 ~豆知識~
加工層に加工液の純水又は油を満たし加工材を、水中(油中)につけて加工します。
黄銅でできたワイヤに電流を流し、ワイヤと加工物との間に短時間で放電を繰り返し発生させ、
その時に発生した熱で加工物を溶かしながら加工を行なっていきます。
加工時に発生する熱は,6,000℃~7,000℃に達すので、加工層には、冷却装置が備え付けられており、
水温を一定に保ち、加工材の変形を防いでいます。
ワイヤ線の太さも多岐にわたり細いものでは0.03mm、太いものでは0.3mmのものがあります。
弊社のワイヤ放電加工機に使用されるワイヤの太さは、φ0.25mmを使用しています。
ワイヤ放電加工機のメリットとしては
・導電性のある素材なら厚さや硬さに関係なく加工ができる
・垂直方向であれば複雑な形状でも加工できる
・バリが出ない
・高精度
があります。
デメリットとしては、
・貫通してないものは加工できない。
・導電性のないものは加工できない
・加工速度が遅い
・水平方向は加工できない
があげられます。
次回は、形彫放電加工機について紹介したいと思います。